第三者の専門職に健康管理をサポートしてもらえることで組織への信頼性が高まり、
“ケアする人もケアを受ける組織風土”が譲成されています
社会福祉法人仁愛会
業種:老人福祉・介護事業
従業員数:約220名(施設数:3)
WellaboSWP導入年:2022年
導入プラン:オンライン健康管理室ウェラボ
社会福祉法人仁愛会様は、昭和63年に設立された社会福祉法人で、特別養護老人ホームを中心とした老人福祉・介護事業を展開されています。地域に根差した施設運営を目指し、現在は杉並区に和泉サナホーム、新泉サナホーム、檜原村に桧原サナホームの計3施設を運営されています。ご利用者様を大切にし、安心して健やかに日常生活が送れるようご支援されており、職員研修にも積極的に取り組まれています。介護人材のニーズが高まる中、職員の心身不調や不調に伴う離職に課題を感じておられたことから、経営課題の解決策の一つとして、職員が心身ともに健康に働き定着する職場を目指してオンライン健康管理室ウェラボを導入いただきました。
今回は新泉サナホーム、和泉サナホーム、桧原サナホームの各施設長にお集まりいただき、ウェラボ導入後の施設や職員の皆様のご様子についてお話を聞かせていただきました。
今回お話を伺った方
■新泉サナホーム施設長・結城さん
■和泉サナホーム施設長・上原さん
■桧原サナホーム施設長・齋藤さん
概要
オンライン健康管理室ウェラボ導入以前は、職員の健康管理や休職者対応を専任で担当する人材がおらず、健康診断の管理から休職者のフォロー、産業医との連携に至るまで、健康管理の多くを各施設長が担ってこられていました。健康管理システムの利用もなかったため、煩雑な健康情報をアナログで管理しなければならず、施設長の負担が大きくなっていました。また職員のメンタルヘルスケアや離職者の対応にも力を注いでこられていましたが、負担も大きく、またフォローもしきれず、人材の定着に課題を抱えられていました。
オンライン健康管理室ウェラボ導入後は、オンライン健康管理室に職員の健康管理を一任したことで、施設長の健康管理に関する業務削減と効率化を実現できました。職員が健康面やメンタルヘルスについて第三者に相談できる体制が整い、施設長を含めた管理者側も専門家に対応のアドバイスを得られるようになりました。その結果、職員が安心して働ける組織風土が作られ、課題であった離職率にも改善が見られるなど、導入効果を実感されています。
オンライン健康管理室ウェラボ導入前
オンライン健康管理室ウェラボは、健康管理システムWellaboSWPを活用し、産業医や保健師などの専門職がオンラインで健康管理をお任せいただけるサービスです。健康診断事後措置、長時間労働、ストレスチェックから、健康相談やメンタルヘルスケア、休復職者対応などの個別フォローまで行っています。選任されている産業医との連携や業務分担を行うなど、各事業所の状況に応じた体制の構築が可能です。
職員の健康管理や不調の対応をしきれないこと、離職の多さと対応の難しさに課題を感じていた
結城さん:
福祉施設は規模が小さいので、施設の中で職員の健康管理を専門で任せる人材がいませんでした。施設長が片手間でやらざるを得ない現状があったので、正直なところ十分には管理できず、とりあえず法律の通りにやるけども…のような状態でした。離職する従業員も多かったですし、理由がわからずに辞められてしまうと周りの職員に不安が広がって、連鎖的に人が辞めることもあり困っていました。ストレスチェックも実施していましたが、私たちは集団の分析結果をもらえるだけでその先に結果説明会などはなかったので、結果を活かして何かをするということは難しかったです。
上原さん:
健康診断結果の管理は大変でしたね。休職から復帰した職員に対してどう対応したら良いかがわからないこともありました。これまではどうしたらいいかわからないけどとりあえず話しかけてみようかとやってみたり、経験のある人や他の施設長に方法を聞いたり、試行錯誤しながらやっていました。
齋藤さん:
職員が怪我したり休職したりすると、私が電話やメールをして「大丈夫?」と声をかけるなどしていましたが、休職者が複数名いたりバタバタしていると回らないときがありました。
新泉サナホーム施設長・結城さん
ウェラボのここがGOOD!-健康管理について-
第三者に管理を任せることで施設長の負担が減り、職員の安心感が増している
結城さん:
3人とも健康管理に関する負担が減ったと実感しています。加えて第三者に管理していただけたり、相談できたりというのが組織の信頼性につながっているかなと感じています。リーダー層の離職者が減り、業務改善に自ら取り組む人が出てきているので、何かあれば職員同士で相談できるという風土が作られていることを実感しています。私たち経営管理の面からも、言いにくいけれど業務遂行のために言わざるを得ないことがあるのですが、組織風土が改善してきたために、これまでは離職を気にして躊躇われたことでも安心して言えるようになりました。おかげで私たち自身の業務効率が上がり、良い循環が作れていると思います。
上原さん:
健康診断結果の管理はとても楽になりました。事後措置を全て任せることができるので、私たちは何もしなくてよくなりましたからね。それに新入職者にオンライン健康管理室のことを話して、こういうサービスを導入して手厚く健康管理をやっていますよと伝えると結構喜ばれ、職員を大事にしているのですねとプラスで考えてもらえることが増えたように思います。それが施設の強みになっていると感じています。
齋藤さん:
忙しくて手が回らないときに健康管理の側面をフォローいただけるのは助かっていますね。例えば腰痛や病気の治療で悩んでいるスタッフに、相談先の選択肢の一つとしてオンライン健康管理室に相談してみたらどう?と促すようにしています。
和泉サナホーム施設長・上原さん
ウェラボのここがGOOD!-離職への対応について-
不調について相談しながら“働き続ける”という選択肢が持てるようになった
結城さん:
離職は年を追うごとにだいぶ下がっています。これまでは離職する職員がいてもなぜ辞めていくのかわからず、職員に不安が広がってしまうことがあって困っていました。現在は、不調を抱えた職員が第三者に事前に相談できたり、場合によっては専門家から「今は働ける状態にない」と認識させてもらえ、本人が納得して休職を選択できたりします。そうすると休職したり退職したりする職員がいたとしても、オンライン健康管理室がクッションの役割を担ってくれているので、本人が職場を批判しながら辞めることも減るし、周りの職員も、例えば「職場が嫌で辞めるわけじゃないのだ」などと離職理由に見当をつけることができ、必要以上に不安にならないでいられるようになっています。同僚の休職や退職にあまり影響されず、自身のキャリア形成を考えながら働いている人たちが増え、心理的に安定してきているように感じています。オンライン健康管理室への相談から受診につながって、相談をしながら元気に仕事を続けているケースもありますし、そういった状況を見ると効果があったなと思えますね。
上原さん:
休職者のフォローをしてもらっているところが大きいですし、自分から連絡しなくても産業医につないでいただけるところも本当に助かっていますね。うちにも支援を受けながら頑張っている職員がいますけど、今までだと退職しか選択肢がなかったと思います。それが今は一旦休職を挟んで復帰するかを考える時間を作ることもできています。職員が休職から戻った時の我々の対応の仕方も教えてもらえるので、私自身がアドバイスを受けられるのはありがたいです。
齋藤さん:
休職している職員について対応のアドバイスをもらえたことがあって、それは正直助かったなと思いました。離職については施設の状況によって違いがあり、私の施設では良くも悪くもあまり変化がないのかなと感じています(注:斉藤さんが担当されている施設はもともと離職率が低い)。離職よりもうちは採用が課題ですね。体調を崩した方の対応よりも、新入職者と役職者面談をしてもらっていることにありがたさを感じています
桧原サナホーム施設長・齋藤さん
WellaboSWPのここがMOTTO!
スタッフの多様性に応じた幅広い対応や、相談へのハードルが下がる取り組みがあるとうれしい
結城さん:
あると良いのは多言語対応ですね。施設ではベトナムやインドネシアから来た職員が働いてくれています。今はある程度日本語ができる方に来てもらっていますが、あと何年かすると日本語や英語でのやり取りが難しい方にもお願いすることになるかなと思っています。そうすると、介護の動作はできるけど言語が伴わないので、日本人スタッフとコミュニケーションが取れないとか文化の違いがストレスになるとか、色々な問題が出てくるかなと。そのときに多言語で対応できるようになるとより良いと思います。
上原さん:
せっかく契約しているのだからもっと気軽に使ってほしいなという気持ちがあります。オンライン健康管理室や私たちから「相談しませんか」と言わなくても、自分から相談できるような存在であってほしいし、将来的にどんどん相談できるようになればいいなと思います。「こんなこと聞いちゃだめかな」と思ってしまうと相談しにくくなってしまうので、「どんなことでもいいから来なよ」という発信がもっとあるといいかな。一回行ってしまえば、これも聞いてみようかな、次も相談してみようとなるかなと思うので。
齋藤さん:
年配の職員が多いので、システムの操作になかなか慣れず、私や他の職員がかなりの時間を割いて手伝っているという現状があります。また、土地柄か引っ込み思案な職員も多いので、「相談してみる?」と勧めてもみんな結構悩んだりとか、後ろ向きな反応になったりして、そういう状態が続いています。中には喜んで相談に行ってくれる人もいますけれども。今後の希望としては、従業員からより積極的に相談したいと思えるようになってもらえたら、それはもう一番ありがたいなと思います。
WellaboSWP担当者より
職員の皆様の健康管理をオンライン健康管理室が担ったことで、施設長をはじめとした健康管理担当者の業務負担が減り、職員も専門的サポートを受けられる体制が整いつつあることがわかりました。法人が目指す、『ケアする人もケアを受ける』ことができる組織風土が作られ、職員も管理側も安心して働き続けることができる良い循環が生まれていることが伺えました。また、オンライン健康管理室の支援によって、職員の健康管理や不調の対応に手が届くようになったことで、メンタルヘルスのケアや就業上のサポートを受けながら働くという選択肢を持てるようになり、課題であった離職についても効果を実感いただけていることが確認できました。
一方で、相談に対する心理的ハードルが高いことは私たちも解決していきたい課題の一つです。今後も「新入職者面談」を積極的に実施しスタッフとの接点を増やすなど、オンライン健康管理室をより身近に感じ気軽に利用してもらえるよう周知していく方法を検討していきます。また、多様な人材の活躍を支えることができるよう、柔軟なシステムとサービスの構築も目指していきたいと考えています。
今回お話を伺ったことで、オンライン健康管理室ウェラボが中小・中堅企業および法人の経営課題を解決できる手段であることを再確認できました。今後も導入してくださった皆様からご意見を伺いながら、より良いサービスをお届けできるよう改良を続けていきます。