健康管理システム導入事例:業務効率化を実現した3つの機能活用法

健康管理システムの導入を検討されている企業様から「実際の導入効果はどの程度なのか?」「具体的にどのような業務改善が期待できるのか?」というご質問を数多くいただきます。

本記事では、健康管理システムWellaboSWPを導入いただいた企業様の実際の事例をもとに、特に業務効率化において顕著な効果が見られた「健康診断結果管理機能」の活用方法を3つのパターンでご紹介します。

健康管理システム導入事例:業務効率化を実現した3つの機能活用法

健康管理システムの導入を検討されている企業様から「実際の導入効果はどの程度なのか?」「具体的にどのような業務改善が期待できるのか?」というご質問を数多くいただきます。

本記事では、健康管理システムWellaboSWPを導入いただいた企業様の実際の事例をもとに、特に業務効率化において顕著な効果が見られた「健康診断結果管理機能」の活用方法を3つのパターンでご紹介します。

健康診断結果管理における課題の共通点

多くの企業が健康診断結果管理で直面している課題は、規模や業種を問わず以下のような共通点があります

  • 紙とデジタルの混在による管理の煩雑さ
  • データの散在によるヒューマンエラーのリスク
  • 産業医と人事担当者間での情報共有の困難さ
  • 受診勧奨やフォローアップの属人化

これらの課題をどのように解決したのか、実際の導入事例を見ていきましょう。

事例1:複数事業所運営企業での統一管理実現

導入前の課題

複数の事業所を展開するA社では、以下のような深刻な課題を抱えていました

情報の流れに関する問題
  • 地方事業所で実施した健康診断の結果を紙で産業医が判定
  • 判定結果を本社の保健師に郵送で送付
  • 保健師が確認後、対象者にメールで連絡

この一連の流れには、産業医の訪問日に合わせたとしても最短で2~3週間を要し、タイムリーな健康管理ができていませんでした。

データ管理の重複と非効率性
  • 地方事業所:従業員の紙ベースの健康カルテを保管
  • 本社:受診勧奨の記録管理用として別のカルテを作成
  • 同一従業員の情報が複数箇所に分散し、データの同期が困難
情報の流れに関する問題
  • 紙ベースのため、有所見者の抽出に手作業が必要
  • 部署別や年齢別の傾向分析ができない
  • 過去の経年変化を確認するのに膨大な時間を要する

システム導入による改善効果

即座の情報共有を実現

産業医がシステム上で健診結果を判定すると、リアルタイムで本社の保健師に情報が共有されるようになりました。これにより、従来2~3週間かかっていた情報伝達が即座に完了し、受診勧奨実施までの期間も大幅に短縮されました。

個人情報セキュリティの向上

健康診断結果を紙で郵送する必要がなくなったことで、郵便事故による個人情報漏えいのリスクを完全に排除できました。システム上での情報管理により、アクセス権限の設定や操作履歴の記録も可能となり、情報セキュリティレベルが大幅に向上しています。

データの一元管理

全事業所の従業員データが統一されたシステムで管理されることで、重複したカルテ管理が不要となりました。一人の従業員につき一つのデータで完結し、どの拠点からでも同じ情報にアクセス可能です。

効率的な受診勧奨

システムの自動抽出機能により、要受診者を瞬時に把握。保健師は抽出されたリストに基づいて効率的に受診勧奨を行えるようになり、対象者への連絡漏れもなくなりました。

数値で見る改善効果
  • 健診結果確認から受診勧奨実施まで:21日→7日(67%短縮)
  • 月次健康管理業務時間:80時間→50時間(38%削減)
  • 受診勧奨対象者への連絡率:100%達成(従来は95%)
  • 郵送による個人情報の紛失リスクを完全に排除

事例2:産業医・人事連携の質的向上

導入前の課題

IT関連企業B社では、月1回2時間の産業医訪問という限られた時間の中で、効率的な健康管理を行うことに苦労していました

専門知識ギャップによる問題
  • 産業医の判定内容を人事担当者が正確に理解できない
  • 誰に対していつまでに何をしてほしいのかを一つ一つ産業医が手書きで指示を出さなくてはならず、非常に時間がかかる
  • 従業員からの健康相談に対して、人事担当者が適切に回答できない
記録・引き継ぎの問題
  • 産業医の口頭での説明を人事担当者がメモで記録
  • 担当者変更時の引き継ぎで情報が欠落
  • 過去の経緯を確認する際に時間がかかる

システム導入による改善効果

システム上でのコメント機能活用

産業医が健診結果を判定する際、システム上に詳細なコメントを残す運用に変更しました。これにより以下の改善を実現:

継続性のある健康管理

システム上のコメント履歴により、担当者が変わっても一貫した対応が可能となりました。また、従業員からの相談に対しても、過去の産業医コメントを参照しながら適切な回答ができるようになりました。

産業医の業務効率化

産業医も過去の自身のコメントや判定履歴を確認できるため、継続的で一貫性のある健康管理指導が可能となりました。

数値で見る改善効果
  • 健診機関から従業員への通知まで:平均7日→4日
  • 人事担当者の産業医への確認事項:月平均15件→3件(80%削減)
  • 産業医面談時の情報確認時間:平均15分→5分に短縮

事例3:大規模企業でのExcel管理からの脱却

導入前の課題

従業員数1万人規模の製造業企業C社では、複雑化したExcel管理に限界を感じていました

複雑化したExcel管理の実態
  • 健診結果判定用:5つのExcelシート(健診機関別)
  • 受診勧奨記録用:1つの管理ファイル
  • 休復職者管理用:1つの追跡シート
  • 産業医面談管理用:1つのスケジュール表
  • 保健師面談管理用:1つの記録シート
最大の課題:面談時の情報確認

産業医や保健師が従業員と面談を行う際、上記の複数のExcelファイルを同時に開いて情報を確認する必要があり、面談に集中できない状況が発生していました。

データ統合の困難さ
  • 年度をまたいだ分析に多大な時間を要する
  • 部署異動時のデータ移行でエラーが発生
  • 全社的な健康課題の把握が困難
版数管理とヒューマンエラー
  • 複数担当者による更新で版数が混在
  • 面談時に必要な情報を複数ファイルから探す手間
  • バックアップの不備によるデータ消失リスク

システム導入による改善効果

システムによる統一管理

9つあったExcelシートのほとんどを健康管理システム1つに統合しました。ただし、産業医面談のスケジュール管理のみ、既存の運用との兼ね合いでExcelでの管理を継続することとなりました。それでも、面談時に必要な健康情報はすべてシステム上で一元管理され、大幅な効率化を実現しています。

自動化による精度向上
  • 受診勧奨対象者の自動抽出
  • 統計分析レポートの自動生成
  • 面談時に必要な過去データの一画面表示
リアルタイム分析の実現

従来は四半期ごとにしか行えなかった全社的な健康課題分析が、リアルタイムで実施可能となりました。経営層への報告も迅速化し、健康経営施策の意思決定スピードが向上しました。

数値で見る改善効果
  • 月次健康管理関連業務時間:120時間→85時間(29%削減)
  • 面談準備時間:一人当たり10分→2分(80%短縮)
  • 全社健康分析レポート作成時間:2週間→1時間程度
  • Excel管理ファイル数:9ファイル→1ファイル+システム1つ

健康診断結果管理機能の選定ポイント

これらの事例から学べる、健康管理システムの健康診断結果管理機能を選定する際の重要なポイントをまとめます

1. 既存業務フローとの親和性

チェックポイント
  • 現在利用している健診機関のデータ形式に対応しているか
  • 産業医の判定方法や記録方法に合わせたカスタマイズが可能か
  • 段階的な導入が可能で、業務を止めることなく移行できるか

2. 情報共有とコミュニケーション機能

チェックポイント
  • 産業医と人事担当者間での情報共有がスムーズに行えるか
  • コメント機能や履歴管理により継続的な健康管理が可能か
  • アクセス権限設定により適切な情報セキュリティが確保できるか

3. 分析・活用機能の充実度

チェックポイント
  • 経年変化や部署別傾向の分析が容易に行えるか
  • 受診勧奨対象者の自動抽出など、業務効率化機能があるか
  • 経営層向けのレポート作成機能が充実しているか

まとめ:健康管理システム導入成功の秘訣

今回ご紹介した3つの事例に共通する成功要因は以下の通りです

明確な課題設定

導入前に現状の業務プロセスを詳細に分析し、具体的な課題を明確化したことで、システムに求める要件を的確に設定できました。

段階的な導入アプローチ

一度に全機能を利用するのではなく、最も効果の出やすい健康診断結果管理から段階的に導入することで、スムーズな移行を実現しました。

継続的な運用改善

システム導入後も定期的に運用方法を見直し、より効率的な活用方法を模索し続けることで、導入効果を最大化しています。

健康管理システムは単なるデジタル化ツールではなく、組織の健康経営を支える重要な基盤です。適切なシステム選定と運用により、業務効率化だけでなく、従業員の健康向上と企業の生産性向上を同時に実現することが可能です。

WellaboSWPは、これらの事例でご紹介したような業務効率化を実現する健康管理システムです。

貴社の現状課題に合わせた最適な導入プランをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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執筆・監修
WellaboSWP編集チーム

「機能する産業保健の提供」をコンセプトとして、健康管理、健康経営を一気通貫して支えてきたメディヴァ保健事業部産業保健チームの経験やノウハウをご紹介している。WellaboSWP編集チームは、主にコンサルタントと産業医・保健師などの専門職で構成されている。株式会社メディヴァの健康経営推進チームに参画している者も所属している。