小金澤硝子株式会社様は1960年に創業以来、ガラス工事を主要事業としてガラスやガラスドア、自立手すりなどの施工で60年以上の実績を重ねている企業です。社員を大切にする企業文化が特徴で、20代から70代まで幅広い世代が活躍し、個々の「やりたいこと」を応援しています。たとえばスポーツと仕事の両立など、社員一人ひとりに向き合った働き方を提案し、新しい挑戦を会社全体で後押ししています。未経験者も歓迎し、次世代へ技術を継承しながら業界を牽引しています。健康診断後のフォロー、休復職者のケア、そして目に見えないメンタルヘルスの問題。多くの企業が頭を悩ませるこれらの課題に、社長と総務部長が奮闘していた小金澤硝子株式会社様。「何から手をつければいいのかわからない」状況から、2023年にオンライン健康管理室「ウェラボ」を導入され、2025年に健康優良企業として認定されました。
■ 代表取締役・小金澤 将義さん
■ 総務部長・小金澤 敦子さん
属人的で手探り状態だった健康管理が、オンライン健康管理室「ウェラボ」の導入により、「専門家との連携」「健康課題の可視化」「従業員の意識変容」という3つの変化を遂げ、健康経営の推進、ひいては企業の成長戦略へと繋がった事例です。
特に、保健師との面談をきっかけに一人の従業員が10kg以上のダイエットに成功し、その体験を全社に共有したエピソードは、従業員の健康意識を向上させる象徴的な出来事となりました。導入前の「個人情報の壁」や「見えないメンタル不調」といった具体的な課題が、ウェラボを通じていかに解決され、会社全体にポジティブな循環を生み出しているかを、具体的なエピソードを交えて訴求します。
総務部長:
以前ももちろん健康診断結果の管理は行っていました。しかし、健康診断で要再検査となった従業員がいても、個人情報保護の観点からなかなか踏み込んだ声かけができず、再検査の受診については従業員の自主性に任せるしかない状況でした。自身の健康に気を遣う方は再検査を受診されていましたが、一部だったように感じています。
総務部長:
体調を崩した従業員がいても、どこまで踏み込んで話を聞いて良いのかというのも難しく、具体的な対応方法がわからなかったというのはあります。専門家がいるわけではないので、リスクを抱えながらも感覚的に対応せざるを得ないという苦悩はありました。
社長:
体調を崩したり、お休みしたりなどメンタル不調があるのかなという方の存在を心配はしつつも、状況を把握する術はなかったですね。従業員との距離も近いので定期的に面談をしているのですが、仕事以外の健康の悩みとなると、なかなか私には打ち明けにくい雰囲気だったのかもしれませんね。「見えない壁」ではないですけど、休職や退職などに問題が深刻化するまでリスクを察知できなかったケースもあったと思っています。
代表取締役・小金澤 将義さん
社長:
社長や上司には相談しにくい内容も、保健師という第三者の専門家になら安心して話せる環境ができたというのは従業員にも私たちにも影響が大きかったですね。人数も多くないですので距離が近い分、会社の人には遠慮して話せなかったこともあったのだと思います。
総務部長:
そうですね。健康診断後の再検査の受診勧奨や休復職支援も専門家が介入することで円滑に進むようになりましたし、会社としても従業員としても負担が大幅に軽減したと思っています。会社として健康管理に取り組んでいるというイメージが根付いてきているからか、自然と普段の会話でも健康に関する話題がでるなどコミュニケーションの一つにもなっている気がします。
社長:
システムで健康診断、長時間労働、ストレスチェックなどの状況を数値で見られるようになったことも大きな変化だと感じています。以前は特にデータを集計していたわけではないので、「感覚」でしかなかったメンタル不調者の多さなどもデータで把握できるので、「感じているより多いな」という気づきになり、具体的な対策を打つきっかけにもなっています。社長面談時も、データを基にすることで従業員の悩みをより具体的にイメージし、寄り添えるようになったように思います。
社長:
特定保健指導の対象となった従業員が、ウェラボの保健師面談と特定保健指導をきっかけにダイエットを決意して、1年でマイナス10kg以上の減量に成功しました。しかも、その経緯や成功体験を資料にまとめて朝礼で全社プレゼンしてくれたので、全社の健康意識を啓発してくれましたし、「自分もやってみよう」という空気を作りだしていると思っています。
※ダイエットの経緯や心身の変化なども含めて、管理栄養士顔負けの栄養・ダイエット知識からなる独自のダイエットメソッドをご教示くださいました。
青柳さん:
一昨年に体重が激増しており、2024年の健康診断に向けてまずは4kgほどは落としました。しかし、数値としては特定保健指導の対象となってしまい、ウェラボの保健師面談と特定保健指導をきっかけに1年かけて、2025年の健康診断に向けてさらに11kgほど落としました。
社長:
どうして全社朝礼でプレゼンしようと思ったの?
青柳さん:
当社は6月が健康診断時期なので、ちょうど皆が健康診断受診する前のタイミングで意識してもらうのも良いなと思いまして。それだったら、せっかくなのでちょっと凝ったものを作ってプレゼンしようかなと思ったのですよね。会社でも「銀の認定」(健康優良企業)の取得を目指して健康経営にも取り組んでいるので、そこにも役に立てればという気持ちもありました。
青柳さん
総務部長:
これまでの取り組みもあり、今年の初めに「銀の認定」(健康優良企業)の取得ができました。次は健康経営優良法人の認定取得を目指しています。
社長:
今後の事業拡大に向けて営業職の人材をさらに増やして行きたいと考えているのですが、特に女性の営業職の採用も力を入れていきたいです。その上で、従業員がここで働きたいと思える職場づくりとして、健康経営は引き続き力を入れていく必要があると思います。
社長:
健康経営を進める上で、そろそろ喫煙対策も手を付けないといけないですね。数値で可視化された新たな健康課題の中に喫煙率の高さがあるので、禁煙外来の費用補助など具体的な対策を検討していきたいと思います。
総務部長:
非喫煙者もいるので、従業員の皆さんにとって不公平感のないルール作りをする必要があると考えています。喫煙率の減少は受動喫煙対策にもつながり、非喫煙者にもメリットがあることですので、これを機に進めていきたいと思います。
WellaboSWP担当者より
「社員のために何かしたい、でも何から手をつければ…」。 取材で伺った社長と総務部長の言葉は、多くの経営者や健康管理担当者が抱える「孤独な戦い」を象徴しているように感じました。従業員を想う温かい気持ちと、見えない課題への責任感。その二つを一身に背負い、奮闘されてきたお二人の姿に、胸が熱くなる思いでした。
特に印象的だったのは、ご自身のダイエット体験を「会社の力になりたい」と全社に共有された青柳さんのお話です。一人の従業員のポジティブな行動が、会社全体の健康意識を「自分ごと」として変えていく。その瞬間に立ち会わせていただき、まさに私たちが目指す“伴走型”健康経営の理想の形を見せていただいた気がします。
オンライン健康管理室ウェラボという「専門家」の介入と、WellaboSWPによる「データの可視化」は、社長と従業員の間にあった「見えない壁」を取り払い、孤独な戦いをチームでの挑戦へと変えるきっかけに過ぎません。そのきっかけを力強い推進力に変え、「健康優良企業」認定という大きな成果に繋げられたのは、ほかでもない小金澤硝子様の皆様の主体性と、人を大切にする企業文化の賜物です。
「健康経営を、企業の成長戦略へ」。 次なる目標に向かって力強く歩みを進める小金澤硝子様の挑戦を、私たちウェラボはこれからも全力で伴走させていただきます。この事例が、同じ悩みを抱える多くの企業にとって、希望の光となることを心から願っています。